旧大名小跡地再開発、五つ星ホテルが鍵 福岡市が事業者公募開始

2017年11月01日
福岡市は31日、都心の一等地にある旧大名小跡地(中央区)の再開発を担う民間事業者の募集を始めた。事業者を選定するための公募要綱を同日公表。来年1月に提案書の受け付けを締め切り、開発計画や市に支払う借地料の提案価格などを総合的に評価して同3月に優先交渉権者を決める。

 跡地は「天神西通り」の近くにあり、広さ約1万2千平方メートル。国家戦略特区の一環として航空法に基づく建物の高さ制限が76メートル(17階相当)から115メートル(26階相当)に引き上げられており、市は規制緩和で再開発を促す「天神ビッグバン」の「西のゲート」と位置付けている。

 公募要綱では開発条件や事業者の選定基準を提示。土地は市が事業者に貸し付ける計画で、事業者が提案する借地料の最低価格を年間約5億円に設定した。貸付期間は50〜70年の間で事業者が提案する。

 地域行事や災害時の避難場所として使える広場や公民館などの設置が必須条件で、導入が望ましい機能として高級ホテルや大規模オフィス、保育施設などを盛り込んだ。施設のデザインや耐震性能も審査対象で、有識者や市幹部でつくる委員会の評価を踏まえて事業者を決める。評価の配点は、計画内容を8割、借地料の提案価格を2割とした。

 事業者選定の入札には西日本鉄道やJR九州、福岡地所などが参加を検討している。

   ◇   ◇

 旧大名小跡地の再開発に向けた公募開始を受け、地場や国内の大手企業は31日、公募要綱の分析に入り、入札へ向けた検討を本格化させた。争奪戦を勝ち抜く鍵の一つが「五つ星」級の外資系高級ホテル。民間事業者は既に、水面下で誘致に向けた交渉を進めている。

 市は公募要綱で、事業者の創意工夫で自由に提案できる民間施設として、ホテルやオフィスなどを提示。中でもホテルは、国際的な会議や観光の都市づくりに適した「高い品質と品格を備え、ゆとりのある客室を持ったホテルが望ましい」として、具体的なブランド名の提案も求める。

 背景には、関係者が「福岡市には世界のVIPが泊まれるホテルが少ない」と口をそろえる事情がある。

 福岡市のホテルは174施設、2万3834室(2016年度)と全国有数の規模。外国人客の増加を受け、稼働率は80%を超え、予約が取りにくい状況が続く。ただビジネスホテルなど比較的に手頃な価格帯が多く、九州経済調査協会の片山礼二郎調査研究部次長は「需要ありきではなく、市が目指すアジアの交流都市の実現には外資系のハイクラスなホテルが必要。福岡がステージを上げるのに、めったにない好機」と語る。

 市の思惑に民間事業者も理解を示す。西日本鉄道の倉富純男社長は10月19日の会見で「20年後、30年後の福岡を考えたとき、こういった形のホテルを行政が積極的に誘導するのは、ありがたい」と述べた。一方、入札参加予定の地場大手の幹部は「外資系は施設側に利益を配分しないので、誘致しても賃料しかもらえない。利益が上がりにくい」と指摘する。


 さらに市は50〜70年間の土地賃借、広場や公民館などの設置も条件に課す。「五つ星ホテルと、どうかみ合うのか。採算性と地域づくりのコンセプトが見えづらい」(西日本シティ銀行の谷川浩道頭取)などの声も経済界から上がっている。

 公募に参加する民間事業者は、難しい課題を解決し、魅力あるプランを作りあげる手腕が試される。

2017年11月01日 西日本新聞

daf3f1c39d173e7e6ad43400d6712098[1].jpg
Calendar
<< December 2017 >>
SunMonTueWedThuFriSat
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31
search this site.
tags
archives
others
admin
Neez Webページ